「吟醸王国しずおか」映像製作委員会オフィシャルサイト
product by しずおか地酒研究会映像製作プロジェクト

「吟醸王国しずおか」映像製作委員会オフィシャルサイト
イントロダクション
 
企画にあたって ム 日本初のメ地域発・地酒映像モ 鈴木真弓(しずおか地酒研究会主宰)

■静岡県が「吟醸王国」と評価されていることを、ご存知でしょうか?
静岡県の蔵元は、江戸期、東海道の宿場町を中心に発展しました。
太平洋戦争中は原料米不足の折から統廃合を余儀なくされ、生き残った蔵元も、昭和50年代前半までは大半が灘の下請けで生計を立てるなど“日陰の時代”が続きます。
昭和50年代後半から下請けの量が減り始め、さらに経営が苦しくなった蔵元は、今まで経営の柱には考えなかった高コストの吟醸酒で生き残りを図る英断をします。この時に追い風となったのが『静岡酵母』。蔵元に技術指導をしていた静岡県工業技術センターで、蔵元が自立するには他地域の亜流にならず、独自スタイルで勝負すべきと考え、吟醸造りの実績を持つ県内の蔵で発見した酵母菌をもとに、バイオテクノロジーを駆使して開発したもので、昭和61年全国新酒鑑評会で金賞10、銀賞7で入賞率全国一位を獲得。地域単位での独自酵母開発、大量入賞、吟醸造りの確立は、全国にも例がなく、酒どころとしては無名だった静岡県を一躍「吟醸王国」にしました。
 
日本酒のうち、特別な製法によって造られる特定名称酒(本醸造・純米酒・吟醸酒)は、全国平均では4割しか造られていませんが、静岡県は8割という特異な県です。特定名称酒という高付加価値の酒が出品用やマニア向けではなく、市場に受け入れられている証拠です。
静岡県が「吟醸王国」になったのはコンテストがきっかけでしたが、今はコンテストの審査員ではなく、売り手や呑み手が身銭を払って“王国の証明”をしています。真の王国になった証拠です。


■「吟醸王国」の地元では消費シェア2割以下
とはいえ、物流に恵まれた静岡県には全国各地からモノが潤沢に入ってきます。地場産品への愛着が深いとはいえない県民性も手伝い、未だに静岡で日本酒を造っていることすら知らない県民も少なくありません。県内の日本酒消費量における静岡酒のシェアは、依然として20%以下を推移し続けています。
現在、国内アルコール消費量のうち、日本酒のシェアは8%まで落ち込んでいます。その中で静岡酒の全国シェアはわずか0.68%。国内市場を広く見渡せば、静岡吟醸は知る人ぞ知る、幻の存在になってしまっているのです。
質の高いモノを造っても広く知られていない…そんな静岡酒の姿は、経済からみれば、日本酒をとりまく環境変化の縮図であり、地方の伝統産業・中小企業の共通課題を示し、地域ブランドをいかに育てていくかを考えるスタディケースといえるでしょう。


■地酒は地域の自然・文化の結晶
地酒は、その地域の歴史・伝統・文化・そして自然とともに育まれてきました。ユニークな酒銘に表現された地域の歴史、静岡の食との相性、酒を介したコミュニケーション、発酵醸造の伝統技・・・地酒には地域を語るストーリーが凝縮されています。
なにより、水と米を原料とする酒造りは、地域の自然環境あっての産業です。いい酒を造り続けるためには、豊かな水資源、農環境、そしてそれらを守り継承する地域の人々との連携が不可欠です。


■郷土愛が支える地酒
日本酒のみならず、ワインやウイスキーなど世界各国の「民族酒」は減少傾向にあるといわれています。そんな中、フランスのワイン市場占有率は03年で54%を保っています。フランスの地方では、食卓にその地方のワインやミネラルウォーターが当たり前のように出され、郷土の産物や地域の特色などがごく自然に話題となるようです。
縄文期から米の酒を造ってきた日本人にとって、日本酒も、フランス人にとってのワインに劣らない存在のはずですが、現在の長期低迷の理由の根底には、教育面でも議論されている郷土愛・愛国心の欠如、日本文化の変化衰退と生活の西欧化―とくに食生活の多様化に、淡麗な味の日本酒だけでは対応できず、ビール、焼酎、リキュール、ワインなどの需要増加につながった―等が考えられるでしょう。
地酒の衰退が、わが故郷の水や田んぼ、町並み、食、祭り・・・各地に伝承されてきたかけがえのない自然と文化を置き去りにする今様の生活スタイルに起因するとしたら、地酒の価値を伝えることは、郷土のよさを見直す心の醸成につながるはずです。


■日本酒復権の今こそ「吟醸王国しずおか」のアピール好機
ここに来て、首都圏や中京圏での業務用日本酒市場の需要増加、本格焼酎ブームの沈静化、各メーカー出荷量の復調など、日本酒復権の兆しも見えてきています。いち早く海外市場に進出したメーカーは、海外の日本食ブームに伴う日本酒(特定名称酒)需要の伸びに期待を膨らませています。静岡酒が、まず首都圏で評価をされて地元に“逆輸入”されてきた状況と同じように、日本酒そのものが、海外から日本に逆輸入評価される時代が来る、との分析もあります。
そのような環境変化を前に、早くから吟醸酒づくりの体制を整えてきた静岡酒のポテンシャルは大いに期待できるでしょう。今こそ「吟醸王国しずおか」を広くアピールする好機です。





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