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第13章「歴史に残したい静岡の名酒たち その3」
平成の吟醸酒ブームは全国の名酒掘り出しの役目をしました。静岡県も地酒の名醸地になるきっかけにもなりました。
吟醸酒ブームの中で目立っていたのは、もちろん吟醸酒です。その影では吟醸酒以外の普通酒や本醸造や純米も、それなりの話題を持って語られて飲まれていました。
今回はその中においての普通酒についてのお話です。
普通酒という言葉自体、わけがわからないことでしょう。日本酒の普通酒と呼ばれているのは一般酒のことで、そんな言い方をするともっとわからなくなるかも。
普通酒(一般酒)は特定名称を持たない日本酒のことです。特定名称は本醸造とか純米とか、吟醸とか純米大吟醸などの名称。これは精米歩合(原料であるお米の磨き具合)や醸造アルコールの添加の有無により分類されています。
つまり、簡単に言ってしまえば、あまり磨いていない原料で造り、醸造アルコールを本醸造よりも多めに入れているタイプが普通酒ということになります。
と、書きますと、あんまり良いイメージを持たれないかもしれません。
私は普通酒においても肯定派であります。支持して飲んでいる方々のことを思うと、その方々の生活にも関係してくることで、普通酒を否定することは、普通酒を飲んでいる人をも否定しかねません。選択の余地ということからもあった方が消費者にとっては幸せです。
一方、造り手側に立ってみると、普通酒にも力を入れている蔵ってあるのでしょうか?
級別制度が終わり、良い品質へと流れた酒業界。普通酒は置いてけぼりになっているとも思われます。言葉からして、普通が駄目なら他も駄目。お酒を飲まない方からすれば、それも正解かもしれません。
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普通酒を大事に。普通酒を飲まれる方を大事に・・・。そんな姿勢の蔵元があります。その蔵元の普通酒は日本一と呼ばれています。酒呑みに対して心ある蔵元であります。
その、日本一の普通酒を造っているのが、藤枝の青島酒造であります。喜久醉の蔵元です。
黙って飲めば、吟醸酒や特別本醸造と思い込む人もいるでしょう。それほどのレベルなんです。でもお値段は普通酒価格。ちなみに喜久醉は他のどのクラスの酒も日本一といっていいレベルです。
喜久醉の普通酒、歴史に残したい静岡の名酒であります。
次号は吟醸酒ブームの影にあった本醸造と純米について書きます。
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河原崎 吉博(かわらざき・よしひろ)
丸河屋酒店(静岡市葵区田町)店主。酒類業界に従事して2011年で30年。酒屋の酒知らずから一転、数年間蔵人となったのを皮切りに日本酒に没頭。現在、酒販店経営と日本酒講師を務める。これまで数十名のきき酒師や日本酒学講師・酒匠を輩出。全国きき酒選手権大会に6名を送り、優勝、準優勝などの好成績を修めている。HPはこちら。 |
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